げげげの怪談朗読ライブ~空想の世界へ |
NPO法人 現代朗読協会が行っている「朗読ライブ」の発表を観るために。
妻が、突然「朗読」なるものに興味を持って参加した、現代朗読協会のワークショップ。
第2回目となる今回の発表は、なんと「怪談話」。
ワークショップ参加者の皆さんや他のコースの方々と共同でやるライブ。
当日の夕方、どこからともなく吹いてきた生温かい風。
まだら模様の黒い空。
そして、ぽつりぽつりと雨。
…この上ないお膳立てである。
しかも、会場であるあの羽根木の家は、なんと築75年という日本式古民家。
背の低い木戸から敷地に一歩足を踏み入れると、何とも言えない異次元空間にタイムトリップしてしまったようです。
家の中に入ると…
照明が落された薄暗い和室。
ぼんやりと薄明るい外の庭。
そして、網戸から吹き込む生温かい風。
ほのかな蚊取り線香の香り。
…これ以上の臨場感があるでしょうか。
テレビ局のセットでも、ここまでリアルな会場のしつらえは、ないでしょう。
当日の演目は下記の通り。
*卵(夢野久作)
*行列(夏目漱石『永日商品』より)
*幽霊滝の第三夜(怪談/夏目漱石『夢十夜』より)
幾つか感想を書きたいと思います。
(1)私なりの朗読の楽しみを発見出来たこと
読書は、読み進めていくうちに、自分が思い描く、その本の世界に浸っていけること。
それが一つの楽しみでもあります。
ところが、朗読ライブでは、他の方が読み聞かせる、その本の世界に吸い込まれます。
それは自分が想像した世界ではない、その本の世界へ
あたかも異次元空間に身を置いたような独特の感じ。
やはり、薄暗い室内というのも、自身の感受性を敏感にさせたのでしょうか?
また、怪談話だからこそ、普段よりも神経が研ぎ澄まされていたからでしょうか?
とてもリアルにその本が持つ独特の世界観に吸い込まれて行ったのでした。
(2)効果的な演出
帯の演出、薄暗い室内、蚊取り線香のほのかな香り、生温かい風…。
演目が始まるまでの待ち時間というものは、観客の気持ちを高めるには大変重要です。
そして、いざ朗読が始まると、観客を両サイドから挟み撃ちし、お互いの声が共鳴し合うように、朗読が始まります。
そして時折、演者の一人が朗読をしながら、観客を横切り向こう側へと移動していきます。
どきどきする怪談話に加えて、奇想天外な演者の行動。
足に結わえた、赤い紐。
そこに付けられた鈴の音。
そして、絶妙にマッチした音楽がますます臨場感を高めていったのでした。
(3)印象深い演目の選定
3作ともそれぞれ味のある、独特の演目でした。
中でも、夏目漱石の作品は、朗読で読まれると、一つひとつの言葉が持つ力がズーンと胸に迫ってきます。
やはり、すごい作家なんだなということを改めて知ることが出来ました。
また「幽霊滝の第三夜」では、小泉八雲の怪談と夏目漱石の作品という二つの話が、うまい具合に組み合わされて、何とも言えない独特の世界を醸し出していました。
それに、「卵」。
この臭ってきそうな卵、どのくらいの大きさなのだろう?
そんなことをずっと考えていました。
いやはや、またもや、演出/音楽担当MIZUKI氏の思う壷。
まんまと、夢中になって、朗読の世界に入り込んでしまったようです。
なぜか怪談話なのに、今回も、観客との双方向のコミュニケーションが成立していたのが見事でした。
Ken
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